偏微分
偏導関数の関係
f_{x_i x_j}(\bm{x})およびf_{x_j x_i}(\bm{x})が\bm{c}において連続⇒f_{x_i x_j}(\bm{c})=f_{x_j x_i}(\bm{c})
(詳細は[杉浦:解析入門1]定理II.3.2, p.109)
証明に用いる定理:
平均値の定理([杉浦:解析入門1]定理II.2.3, p.93)
⇐ロールの定理(定理II.2.2, p.93)
⇐定理I.7.2(p.67)
定理I.7.3(p.68)
⇐ボルツァーノ・ワイヤストラスの定理:「有界実数列は常に収束する部分列を持つ」(定理I.3.4, p.24)
⇐アルキメデスの原理(定理I.3.2, p.19)⇐定理I.3.1(p.17)⇐連続公理(R17, p.7)、命題I.1.3(p.6)
定理I.2.5(2)(p.14)⇐命題I.2.4(p.13)
区間縮小法(定理I.3.3, p.20)⇐定理I.3.1(p.17)、定理I.2.6(p.15)
はさみ打ちの原理(定理I.2.7, p.16)
C^k級の関数⇒k階までのすべての偏導関数は偏微分の順序によらない
(上記の定理の一般化、[杉浦:解析入門1]定理II.3.3, p.111)
証明は上記の定理と帰納法
全微分
全微分可能⇒連続
(詳細は[杉浦:解析入門1]定理II(5.5), p.120)
全微分可能⇒偏微分可能、全微分の各成分は偏微分係数に等しい
([杉浦:解析入門1]定理II.5.2, p.121)
C^1級の関数⇒全微分可能
([杉浦:解析入門1]定理II.5.3, p.123)
証明に用いる定理:
平均値の定理([杉浦:解析入門1]定理II.2.3, p.93)、シュワルツの不等式(命題I.4.3, p.36)
合成関数の微分法
fがx \in Uで微分可能、gがy=f(x)で微分可能
⇒\psi=g \circ fはxで微分可能、連鎖率が成立
([杉浦:解析入門1]定理II.6.6, p.131)
証明に用いる定理:
命題II.6.1([杉浦:解析入門1]p.128)
命題II.6.5(p.130)⇐シュワルツの不等式(命題I.4.3, p.36)
定理II.6.2(2)(p.129)⇐定理II.5.2(p.121)
定理I.6.8(p.59)⇐定理I.6.6(p.57)⇐命題I.6.4(2)(p.55)、定理I.6.2(p.53)、定理I.2.6(p.15)
多変数のテイラーの定理
C^k級の実数値関数、x,x+hを結ぶ線分が定義域に含まれる
⇒\exists \theta \in (0,1), f(x+h)=f(x)+\sum_{m=1}^{k-1}\frac{1}{m!}(d^m f)_x (h) + \frac{1}{k!} (d^k f)_{x+\theta h}(h)
([杉浦:解析入門1]定理II.7.2, p.147)
証明に用いる定理:
命題II.7.1(p.146)⇐定理II.3.3(p.111、上述)
1変数のテイラーの定理(定理II.2.10, p.99)⇐コーシーの平均値定理(定理II.2.9, p.99)⇐ロールの定理(定理II.2.2, p.93、上述)
多変数関数の極値
f(x)がaで微分可能かつ極値
⇒\frac{\partial f}{\partial x_i}(a)=0, f^{\prime}(a)=0, (df)_a=0, \text{grad} f(a)=0
([杉浦:解析入門1]定理II.8.1, p.149)
証明に用いる定理:
1変数の場合の定理(定理II.2.1, p.92)⇐定理I.6.6(4)(p.58)⇐定理I.6.2(p.53)、定理I.2.6(p.15)
f^{\prime}(a)=0かつ、
- D_k(a)>0 (0\geq k \geq n)⇒aは狭義極小点
- (-1)^k D_k (a) >0⇒狭義極大点
- D_n(a)\neq 0かつ上記以外⇒極値ではない
ただし、
D_k(x)=\begin{vmatrix}
f_{x_1,x_1}(x) & \cdots & f_{x_1,x_k}(x)\\
& \cdots & \\
f_{x_k,x_1}(x) & \cdots & f_{x_k,x_k}(x)
\end{vmatrix}
([杉浦:解析入門1]定理II.8.4系, p.159)
証明に用いる定理:
定理II.8.4(p.158)⇐テイラーの定理(定理II.7.2, p.147、上述)、定理II.8.3(p.156)、命題II.7.1(p.146、上述)
定理II.8.3、II.8.3系(p.156,157)⇐定理II.8.2(p.154)
定理II.8.2(p.154)
陰関数定理
fはn+1変数関数かつC^k級、f(a,b)=0, f_y(a,b)\neq 0
⇒f(x,y)=0のC^k級陰関数y=g(x)が一意に存在、g^{\prime}(x)=-\frac{f_x(x,g(x))}{f_y(x,g(x))}
([杉浦:解析入門2]定理VI.1.1, p.4)
証明に用いる定理:
中間値の定理(定理I.8.1, p.74)⇐区間縮小法(定理I.3.3, p.20、上述)
ボルツァーノ・ワイヤストラスの定理(定理I.3.4, p.24、上述)
ロールの定理(定理II.2.2, p.93、上述)
定理II.5.3(p.123)⇐平均値の定理(定理II.2.3, p.93、上述)、シュワルツの不等式(命題I.4.3, p.36、上述)
定理II.5.2(p.121)
参考文献
- 杉浦光夫,『解析入門I』,東京大学出版会
- 杉浦光夫,『解析入門II』,東京大学出版会
- 藤岡敦,『手を動かして学ぶ 微分積分』,裳華房